
愛犬と楽しく遊ぼう
どんな遊びが好きかは犬の個体差による
犬と一緒に遊ぶことは、飼い主さんと愛犬の大切なコミュニケーションの一種です。また、犬にとっては不足しがちな運動を補う手段でもあります。
いろいろな遊びがありますが、大きく分類すると「動くものを追いかける」「引っ張る」「かじる」になります。どの遊びを好むかはその犬次第。引っ張りっ子は好きだけど、ボール投げではまったく遊ばないなど、個体差があります。もちろん全部の遊びが好きな犬もいます。愛犬がどの遊びが好きなのかを見定めてあげましょう。
また、布製のぬいぐるみなら引っ張りっこをするけれど、ラテックスのおもちゃは嫌いなど、おもちゃの好みにも差があります。どのおもちゃがよくて、どのおもちゃが悪いということはありませんので、好きな物を使ってあげましょう。ただし、壊れやすいものやちぎりやすい物は誤飲に注意。小さすぎるおもちゃも飲み込んでしまう危険があります。
犬の好きな遊び
- ボール投げ
- 引っ張りっこ
- 何かにじゃれつく
- 何かを噛む、など
遊ばないのも個性と受け入れよう
犬の中にはあまり遊びに興味がなく、おもちゃに反応しない子もいます。人間でも運動に興味のない人がいるように、これは愛犬の個性なので仕方のないこと。いろいろなおもちゃを試したうえで遊ばないようだったら、それを受け入れてあげましょう。ただし、運動不足になりやすいので散歩にしっかり行く、おやつやフードのカロリーを控えめにする、などの調整を。
知っておきたい”遊び”について
遊びは犬の本能で満たす役割もあります。犬がやりがたることは、不都合や危険がない限り、できるだけやらせてあげましょう。
甘噛みについて
甘噛みは「遊ぼうよ」「かまって」のサインです。遊びのお誘いに乗るかどうかは、飼い主さん次第。「うん、遊ぼう!」と答えてそのまま噛みつき遊びをするのか、それとも他のおもちゃを提案するのか。飼い主さんが楽しめるほうで。
手で遊ぶのはNG?
飼い主さんの手にじゃれついて遊ぶのが好きな犬は多いもの。これは「遊びたい」というサイン。愛犬と仲良く遊べるチャンスです。素手だと痛い場合は、手袋をしたりパペットを使うといいでしょう。
犬に遊ばれて誘われたら?
言説として『順位付けのために愛犬から遊びに誘われても乗らないように』という説があるようですが、それは寂しすぎます。遊んでと近寄ってくるのも、飼い主さんを大好きな証拠です。時間や余裕のあるときならば、思い切り遊んであげましょう。
おもちゃは片付けておくべき?
おもちゃの管理は飼い主さんがすべき、という説があるようですが、その必要はありません。好きなときに遊べるほうが犬も楽しいでしょう。とっておきのおもちゃは普段は片付けておいて、特別なときに出してあげると、犬の気持ちも盛り上がります。
おもちゃ以外で遊ぶのはNG?
靴下やスリッパが好き、人間用のぬいぐるみが好きというように、犬用玩具でないものを好む場合があります。どこまで許すのかは、飼い主さん次第です。飼い主さん的に遊ばれても大丈夫なもので誤飲の可能性がないならば、取り上げなくてはいけない理由はありません。
オススメの遊び方

どんな遊びが好きか、犬によっては異なります。愛犬の好む遊びを見つけてあげましょう。ここでは中西先生オススメの遊びを紹介します。
パペット遊び
パペット遊びはオススメです。噛みつきあってじゃれつきたいという習性を満たすことができます。ポイントは両方の手にパペットを持つこと。片方の手にだけパペットを持つと、パペットを持っていないほうの手を狙って犬が飛びつくことがあります。両方の手で犬の顔やお尻を交互にツンツンすると、犬もあっちを向いたりこっちを向いたりして、楽しく遊べます。
ボール投げ
ボール投げは、飼い主さんが投げたボールなどを愛犬が追いかけ、手元に持ってくる遊び。追いかける習性が刺激されます。投げるものはボールでなくてもOK。投げたり愛犬がくわえたりしても危険がないものであれば、丸めた靴下やタオルなどでもOK。愛犬が好きなものを投げてあげましょう。ただし、愛犬が噛みちぎって飲み込まないように注意が必要です。
引っ張りっこ
紐などの片方を愛犬がくわえ、もう片方を飼い主さんが持って引っ張り合う遊びです。引っ張りっこ用のおもちゃがたくさんあるので、それを使うと便利。ロープ型おもちゃでなく、ぬいぐるみなどで引っ張りごっこをしたがる子もいます。愛犬のおもちゃの好みは個体差があるので、合わせてあげるといいでしょう。引っ張るおもちゃにされたら困るものは最初から片付けておきましょう。
知育玩具
知育玩具は、中におやつやフードを詰められるおもちゃ。ごほうびを得ようと努力することで、脳への刺激になります。長時間クレートに入れるとき、サークルで留守番させるときなどに犬に与えておくに興味のある子とない子がいるので、いろいろな玩具を試してあげてください。詰めるものの質を上げるのも手です。
ペットボトルでも遊べる!
ペットボトルを噛むのが好きな犬は多いようです。愛犬が他のおもちゃよりもペットボトルを気に入っているようなら、工夫してみるといいでしょう。中におやつを入れてあげると、コロコロ転がして知育玩具のように楽しめます。かじって誤飲すると危険なので、飼い主さんが必ず見張っていてあげましょう。
ペットボトルおもちゃの作り方
- 洗って乾燥させたペットボトルに小さくしたごほうびを入れましょう。入れているところを愛犬に見せるとグッド。ペットボトルの側面に小さな穴を開けてもいいでしょう。
- フタをしないまま愛犬に渡します。中のごほうびを取ろうと、転がしたり噛んだりするはず。知育玩具として遊べます。ペットボトルを噛みちぎらないようにご注意を。

参考文献
『まるごとわかる犬種大図鑑』(出版社: Gokken)(監修:和歌山動物病院院長 若山正之)
『もっと楽しい柴犬ライフ』(出版社:誠文堂新光社 編:愛犬の友編集部)
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