愛犬の去勢・避妊の目的は?注意点は? 去勢・避妊ガイド

オスの去勢、メスの避妊について、どうしたらいいのかと迷う飼い主さんは多いと思います。手術をするのは「かわいそう」と考える人も少なくありません。大切なのは、飼い主さんが去勢・避妊についての内容をよく理解したうえで、判断することです。

目次

愛犬の去勢・避妊のガイド

避妊・去勢の目的は?

去勢・避妊を行う目的には、いろいろあります。子犬を作らないだけでなく、一番よく言われているのが、年齢を重ねるにつれて発症しやすくなってくる性ホルモンが関連した病気の予防のためです。

病気予防を目的とするのであれば、できればこの時期に去勢・避妊手術を行っておくと理想的といわれている目安があります。

去勢・避妊手術をする時期の目安

オスの場合、最近は前立腺がんを発症した犬の統計から、あまりにも早く去勢している犬が多いといわれているため、生後7ヶ月以上から3歳未満までの間に行うのがいいのではないかと考えられています。

メスの場合、最初の発情が来る前までの生後5~6ヶ月頃に行うのが理想的。個体差はありますが、1回目の発情はだいたい生後7ヶ月から1歳までの間です。遅くても2回目の発情が来る前までに行っておいたほうがいいと言われています。ただ、2回目の発情がいつ来るかがわからないため、できれば最初の発情が来る前までに行ったほうがいいでしょう。

去勢・避妊はどういった病気の予防になる?

避妊はメスに一番多い乳がんの予防になります。1回目の発情が来る前までに避妊をしておくと予防確率は98%、2回目の発情前までだと95%と高い数字を示します。しかし、2回目の発情以降に避妊をしても、未避妊の場合と乳がんの発症率は変わらないと言われています。もちろん、乳がんだけに限らず、ほかの病気の予防にもなります。

獣医師の選択のために正しい知識を身に着けよう

ただ、いずれにしても、病気予防を目的とした去勢・避妊手術は健康な状態の犬を手術することになりますから、後遺症を絶対に残してはいけないものです。それだけに、手術をお願いする獣医師の腕にかかってきます。

信頼して手術をお願いできる獣医師かどうかを見極めるためには、去勢・避妊手術に対する考え方だったり、少しでも疑問に思うことを納得できるまで聞いてみることです。愛犬を守るためにも、去勢・避妊に関する正しい知識を得ておくことは大事です。

オスの去勢のメリット・デメリット

デメリット
メリット
  • 毛並みに変化がある場合も
    犬種や個体差によっては、これまでの毛質が変わる犬もいます。
  • 太りやすくなる
    ホルモン代謝が変わるため、脂肪や筋肉の代謝も影響を受け、太りやすくなります。
  • 将来の病気予防
    精巣腫瘍、前立腺肥大、会陰ヘルニア、肛門周囲腺腫など。
    性格が穏やかになる
    個体差はありますが、攻撃性が低下し、穏やかになると言われています。

メスの避妊のメリット・デメリット

デメリット
メリット
  • 太りやすくなる
    オスよりもメスのほうがホルモン代謝による影響を受け、太りやすいと言われています。
  • 手術で開腹が必要。
    メスは開腹するため、術後の開腹までに時間がかかります。
  • 将来の病気予防
    乳がんのほか、卵巣がん、卵巣嚢腫、子宮蓄膿症など
  • 生理の出血がなくなる1
    犬の生理による出血だけでなく、行動変化もなくなるので、通年安定して過ごせます。
  1. 最近では低侵襲手術として腹腔鏡手術を取り入れている病院も増えてきました。非常に痛みが少なく回復も早いのがメリットですが、やや費用がかかるのが難点です。 ↩︎

参考文献
『まるごとわかる犬種大図鑑』(出版社: Gokken)(監修:和歌山動物病院院長 若山正之)
『もっと楽しい柴犬ライフ』(出版社:誠文堂新光社 編:愛犬の友編集部)

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