
犬の健康管理で、ご飯の「回数」「時間」の設定は思ったより重要です。食事の間隔が空きすぎると空腹感やストレスにつながる一方、与えすぎると肥満や消化不良の原因になります。本記事では、子犬から老犬まで、年齢・犬種別に最適な回数・時間の目安と、実際に役立つ工夫を紹介します。
犬のご飯、回数や時間を決めていますか?
「ご飯は1日1回でいいの?」「子犬には何回あげるべき?」「夜だけじゃダメ?」
こうした疑問を持つ飼い主さんは多いはず。
実は、犬の健康と長生きには“食事の回数と時間”がとても重要です。
この記事では、
- 年齢ごとの食事回数の目安
- ご飯の時間帯の選び方
- 食事に関するよくあるミスと注意点
などを詳しく解説します。
年齢別|犬のご飯の回数の目安
犬は年齢によって消化力や活動量が変化するため、適切な回数に調整することが大切です。
| 年齢 | ご飯の回数(目安) | 補足 |
|---|---|---|
| 生後〜3ヶ月 | 1日4回 | 消化器官が未発達で空腹に弱いため、少量をこまめに |
| 3〜6ヶ月 | 1日3回 | 子犬フードを与えながら徐々に生活リズムを整える |
| 6ヶ月〜成犬 | 1日2回 | 朝・夜で分けて規則正しい生活に |
| 老犬(7歳〜) | 1日2〜3回 | 胃腸が弱くなるため、様子を見ながら柔軟に調整 |
個体差があるため、「食べる早さ」「お腹の調子」「体重の変動」なども観察しましょう。
犬は1回で、1日分のフードを食べることが出来るほど大きい胃をもっています。しかし1回で1日分の食事を食べられるからといって、1度のタイミングで1日分をあげてしまうとのどに詰まらせたり、肥満の原因になることも。そのため1日分を数回に分けて与えましょう。
ご飯の時間はいつがベスト?
基本は朝と夜の2回
成犬であれば「朝・夜」の12時間間隔を目安にするとよいでしょう。
- 朝:7~9時ごろ
- 夜:18~20時ごろ
食事時間のポイント
- 毎日ほぼ同じ時間に与えることで安心感と食欲安定につながる
- 散歩の「前」or「後」どちらが良いかは体質による(吐き戻しがある犬は後に)
- 留守番前に与えると落ち着いて過ごせる場合もある
ご飯を与える際の注意点
一気食い・早食い対策をしよう
- 早食い防止用の食器を使う
- ドライフードをお湯でふやかす
- 手から与えてコミュニケーションも兼ねる
食べ残しは放置しない
- 食事時間は15分程度で片づけるのが理想
- ダラダラ食べさせると、食事管理が難しくなる
おやつや間食の与えすぎに注意
- おやつは1日のカロリーの10%以内
- ご褒美としてのメリハリが大事
フードの種類と切り替えタイミング
| フードの種類 | 特徴 | 向いている犬 |
|---|---|---|
| ドライフード | 保存性・コスパ◎ | 基本の選択肢 |
| ウェットフード | 香りが強く食いつき良 | 食が細い犬におすすめ |
| 手作りご飯 | 食材を選べる | アレルギーや嗜好に配慮したいとき |
成長にあわせたフードの切り替え
- 生後12ヶ月前後で成犬用に移行
- 急な切り替えは下痢の原因になるため、1週間ほどかけて徐々に混ぜていく
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よくある質問(FAQ)
ご飯の時間がずれてもいい?
A: 基本的には「±1時間程度」なら問題ありませんが、大きなずれや不規則な与え方はストレスや食欲不振につながることがあります。
朝しかあげていないけど問題ない?
A. 体格や体力がある成犬なら1日1回でも可とされるケースもありますが、基本的には1日2回が推奨されています。特に小型犬は空腹に弱い傾向があるため注意。
夜ご飯が遅くなるときは?
A. 19時を超える場合、軽めにおやつを与えて空腹を防ぎ、主食を後で与えるという工夫も有効です。
今日からできる!食事チェックリスト
- 毎日同じ時間にあげている?
- ご飯の回数は年齢に合っている?
- 食べるスピードが速すぎない?
- 食べ残しを放置していない?
- 体重やうんちの状態を定期的にチェックしている?
まとめ:愛犬に合った「回数と時間」で健康管理を
犬のご飯は「何を食べるか」だけでなく、「いつ」「何回」与えるかもとても重要です。
- 年齢や体格に合った回数
- 毎日のリズムを守る時間設定
- 観察と調整でベストバランスを見つけること
を意識することで、健康的で安心できる毎日につながります。
注意点
ご飯は置きっぱなしはしないで1時間を目安にさげる
食事は基本的に、置きっぱなしにしておかないことです。食事を残していたどしても、1時間を目安に片付けましょう。置きっぱなしにしておくと、好きな時間に食べたり、遊び食いをする習慣をつけさせてしまうからです。
飲み水も準備しよう
水はワンちゃんの体の60~80%を占める重要な要素です。体に必要な水分のほとんどは、飲み水およびフードから摂取されます。実際には食べているフードの種類や、気温、運動量などによっても大きく左右されるので、いつでも新鮮な水が飲めるように用意しましょう。
特にドライフードは水分含有量が少ないため、ドライフードを与えるときは必ず新鮮な水をフードのそばに置いておきましょう。そして子犬のときから、できるだけドライフードを与え、歯とアゴを鍛えておきましょう。ウェットフード(柔らかいごはん)だけ与えていると、歯もアゴも弱くなってしまいます。
コラム:飼い主のご飯が終わってからのほうがよい!?

犬にご飯をあげるときは、ちょっとした順番が大切です。
飼い主が食事をする前に犬にご飯をあげてしまうと、犬は「自分のほうがえらいのかも」と思いこんでしまうことがあります。犬の世界では、まずリーダーが食べて、そのあとに仲間が続くからです。
人がご飯を食べているときに「ちょうだい」と鳴いても、無視することがポイントです。ついひと口あげてしまうと「鳴けばもらえるんだ」と学習してしまい、ねだるクセがついてしまいます。
ご飯をあげるときは、「待て」と伝えて食器を目の前に置き、少し待つ時間をつくってあげましょう。
そのあとで「よし」と声をかけると、犬は安心して食べ始めます。
この小さな積み重ねが、「飼い主さんがリーダーなんだ」と犬に理解させることにつながります。
参考文献
『もっと楽しい柴犬ライフ』(出版社:誠文堂新光社 編:愛犬の友編集部)
『本当に知りたいイヌのココロ』(作者・監修:日本訓練士養成学校共闘 藤井聡 出版社:日本文芸社)