
シニア犬の注意したい病気
犬には年齢とともにかかりやすい病気があります。尿器を知っておきましょう。
目の病気
緑内障
眼圧が高くなることで、視神経が圧迫され視力に障害を起こしてしまう病気です。原因としては遺伝性のもの以外に、他の目の病気から続発的に起こるものがあります。緑内障は発症してからそのままにしておくと48~72時間で失明してしまう恐れがあるため、注意が必要です。
初期の症状は、強い痛みが出るため目をしょぼしょぼさせていたり、涙が多くなったり、などの様子が見られます。症状が進むと目の色が緑色や金色などに見えることもあります。
初期の強い痛みがある段階で治療を始められれば、すぐに失明に至る可能性は少なくなります。目を痛がっている様子が見られたら、できるだけ早めに診てもらいましょう。
皮膚の病気
アトピー性皮膚炎
柴犬は若い時にアトピー性皮膚炎を発症しやすい犬種と言われています。犬のアトピー性皮膚炎は、年齢とともに悪化しやすい傾向があるため、くれぐれも気をつけておきましょう。
また老化によって免疫力が低下すると、アトピー性皮膚炎にともなって、脂漏性皮膚炎やニキビダニ症など、ほかのさまざまな皮膚トラブルを引き起こしやすくなります。体を撫でたときにベタつく、痒がっている、脱毛や皮膚が赤くなっているなど、少しでも皮膚にトラブルが診られたら、悪化させないためにも早めの対処を心がけましょう。
循環器系の病気
僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)
僧帽弁とは、心臓の左心房と左心室の間にある二枚の薄い弁のことをいいます。心臓が収縮した際に心房と心室の間を閉鎖し、血液が左心房へ逆流することを防ぐ大事な役割をしています。この僧帽弁が老化による変性などなんらかの原因で閉じなくなってしまう病気が想像弁閉鎖不全症です。
主な症状としては、散歩で疲れやすくなる、明け方や夜中に咳をするようになる、呼吸が荒くなる、舌の色が白っぽい、など。また、急性症状では肺水腫となり、よだれや鼻水をたらして息遣いが荒くなるなど、明らかに苦しそうな状態になります。心臓の病気は早期発見が大切です。
ホルモン系の病気
クッシング症候群
副腎皮質機能亢進症ともいわれ、副腎皮質ホルモンが過剰に分泌されることで、さまざまな症状を引き起こす病気です。主な症状として、水をよく飲む、食欲旺盛でたくさん食べる、腹筋がゆるくなるためお腹が垂れ下がる、呼吸がやや早くなる、脱毛、皮膚病が治りにくいなど。
飼い主さんからすると、若い頃と変わらずによく食べてくれるから安心と思いがちですが、高齢になるにつれて食事の量は多少減ってくるものです。10歳をすぎてごはんをよく食べていたら、もしかしたら病気が影響していないのか疑ってみてください。
甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンの機能が低下することで、さまざまな症状を引き起こす病気です。主な症状として、元気がなくなる、寝ていることが多くなる、食べないのに太ってくる、真夏でも寒がる、脱毛する、皮膚病が治りにくいなど。
寝てばかりいるのは年のせいだと思っていたら、実はこの病気が原因だったという場合もあります。おかしいと思ったらまずは診断をうけましょう。
その他の病気
特に多い病気ではありませんが、7歳以降のシニア犬によく診られるものには次のような病気があります。
肝臓障害、腎臓障害、前立腺肥大(未去勢のオスの場合)、子宮蓄膿症(未避妊のメスの場合)、関節炎、神経系の病気、悪性腫瘍など。定期的な健康診断を心がけ、くれぐれも気をつけましょう。
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