
犬種の中でもペットとして人気の高いトイ・プードル。JKCのランキングでは長期間ランキング1位を守り続けています。人気のペット犬の定番とも言える犬種です。プードルはサイズによって4種類に分けられます。
トイ・プードルの特徴
トイ・プードルの起源・ルーツ
トイ・プードルはフランス出身です。一説ではドイツの狩猟犬がフランスに持ち込まれ、そこで改良されていまの形になったと考えられています。貴族の愛玩犬として人気が出たことで小型化が進められ、その結果、18世紀初頭にトイタイプのプードルが誕生しました。
プードルはサイズによって4種類に分けられます。一番人気は小さいなトイプードルです。
原産国 | フランス |
英語名 | Poodle |
飼いやすさ | |
必要な運動量 | |
トレーニングのしやすさ | |
寒さに強い | |
状況判断力 |
体重・体高
体重 | 体高 | |
スタンダード | 23~25kg | 43~62cm |
ミィディアム | 15~19kg | 38~45cm |
ミニチュア | 6.5~7,5kg | 28~38cm |
トイ | 3kg前後 | 28cm以下 |
平均寿命
12歳から15歳
飼い方のコツ
定期的なトリミングが必要
ご家庭で買う場合には、毛並みの美しさを保つため、日頃のお手入れと定期的なトリミングが必要です。カットスタイルは1000種類以上あります。季節や気分にあわせておしゃれを楽しむことができます。
毛並みのお手入れには手間がかかりますが、プードルは抜け毛が少ない特徴があります。そのためアレルギー体質の人でも比較的買いやすい犬と言われています。
性格
とても賢い性格
性格や性質としてもっとも特筆すべき点は犬種の中でもトップクラスと言える賢さ。4つのタイプごとに性格が若干異なりますが、どのタイプも利口でもの覚えが良く、飼い主の言うことをよく聞きます。
訓練性能が高いので、ドッグスポーツに挑戦することもおすすめ。感覚が鋭く、興奮しやすい一面もありますが、それを除けば、初心者でも安心して飼える家庭犬と言えます。
かかりやすい病気
人気ゆえに繁殖が行き過ぎ遺伝的欠陥が発生している
デリケートな犬種なので、皮膚病、アレルギー、目や耳の病気などにかかりやすいと言えます。とくにミニチュアは軟骨形成不全によって脚が短くなりがちなので注意。また、世界的に繁殖が行われた結果、ミニチュアやトイはまつげの重生(まつげが眼球に向かって生える状態)、涙管閉塞(涙を出す管が閉じて、過剰に涙が流れる流涙症)など、さまざまな遺伝的欠陥を持つ傾向があります。
かかりやすい病気
低血糖症、睾丸停滞(オス)、気管虚脱、過敏性皮膚炎、てんかん、黒内障性白痴、白内障、昼盲症、フォン・ビレブラント病、膝蓋骨の脱臼、目瞼内反症、クッシング症候群、軟骨形成不全、がん
ペット保険会社が公表している犬種別の保険請求割合をみると、トイプードルが病気になる確率は次のとおりです。
■消化器疾患:29.1%
■皮膚疾患:22.4%
■耳の疾患:17.7%
■全身性の疾患:12.1%
■筋骨格疾患:11.6%
※病気になる確率=保険金の請求割合と定義
どの犬種にも多くみられる消化器疾患(嘔吐、下痢など)や皮膚疾患(アトピー性皮膚炎など)、耳の疾患(外耳炎など)が上位を占めており、2~3割のトイプードルがかかっていることがわかります。
また、先天的に多い膝蓋骨脱臼(パテラ)や骨折などの筋骨格疾患も、トイプードルの1割以上が患っているようです。
しつけ
4つのタイプごとに性格が異なるので一概には言えませんが、そうじて大変賢い犬種です。訓練に関して意欲的なので基本的なしつけはすぐに覚えます。ただし、少し賢すぎるぶん、飼い主が一貫した指示を出せなかったり、甘やかしたりすると反抗的になる恐れがあります。
プードルこぼれ話
あのユニークな毛並みのカットはどこから来たの?
フランスが原産国のトイ・プードル。もともとは狩りで水鳥を回収するための狩猟犬です。池や川に飛び込むことが多く、そのため泳ぎやすくするために毛並みをカットしていました。しかし、全部の毛をカットしてしまうと水が冷たすぎます。なので胸部や関節の毛を残したスタイルで狩りを行っていました。
やがてそのユニークな姿が貴族の目に止まり、ペットとして可愛がられます。その後、貴族たちが見た目の美しさを競わせるようになり、現在のショーで見られるような多彩なカットが生まれました。カットの種類はなんと1000種類以上あります。
パルム・ドッグ賞 受賞
カンヌ国際映画の最高賞を「パルム・ドール」といいますが、非公式ながらこれのワンちゃん版があります。もっとも優秀な演技を披露した犬に送られる賞「パルム・ドッグ」。この賞を2013年に受賞した犬はプードルでした。『恋するベラーチェ』という作品で、世界的なピアニストの晩年を描いています。彼に寄り添う盲目の犬を演じたプードルが受賞しました。実際に視力に問題のあるプードルだったこともありますが、プードルの賢さを代表するエピソードの一つです。
参考文献
『まるごとわかる犬種大図鑑』(出版社: Gokken)(監修:和歌山動物病院院長 若山正之)
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