
ここでは成犬にありがちなトラブルへの対処法補をご紹介します。ただし、どの犬にも当てはまるとは限りません。愛犬に当てはまっていないと思ったら中断して、別の方法を探してみましょう。
愛犬のトラブルをどこまで解決するのかは飼い主さんの判断次第です。しかし、トラブルが周囲への迷惑になっていたり、飼い主さんや愛犬に危険がおよぶなら専門家への相談も視野にいれてください。
犬にありがちないろいろなトラブルへのしつけ・トレーニング法
成犬になってから解決できるトラブルもある
子犬の頃にトレーニングが出来なかったり、不十分だったりすると、成犬になってから「困った行動(トラブル)」が出やすくなります。また、トレーニングの方法がその犬に合っていなかった場合も、問題が出やすくなります。
では、成犬で困った行動が起こったとき、もう直すことはできないのでしょうか? 結論からいえば、対応できる場合とできない場合があります。
吠えてしまう問題について
成犬でもっとも多いのは、吠えのトラブルです。こちらの記事を参考にしてください。

留守番をさせると部屋を散らかしたり粗相をする
留守番をさせると、部屋中を散らかしたり粗相をする。これは「分離不安」からくる典型的なトラブルです。犬は群れで生きてきた動物のため、飼い主の姿が見えなくなると過剰なほど不安になることがあります。これが「分離不安」です。
出かける前に犬に向かって「じゃあ、行ってくるからね。いい子でお留守番しているんだよ」などと話しかけてはいないでしょうか。こうした行動は「これからお前は一人になるんだよ」「これまで一人だったんだよね」と確認することになり、犬はますます分離不安を強く感じるようになります。
トラブル解消の第一歩は、留守番のしつけをすること。犬をハウスに入れてから、さりげなく出かけてみましょう。はじめのうちは、5分か10分くらい。帰ってきたときも声はかけないようにします。時には出かけるようなふりを見せ、でも実際には出かけないというようなことをして、飼い主が出かけることに神経質にならないようにしつけましょう。
慣れてきたら30分、1時間とだんだん時間を伸ばしていきます。その頃には犬も「飼い主は出かけてもしばらくすれば必ず帰って来る」と学習し、大人しく留守番ができるようになっているはずです。
飼い主の姿がちょっと見えないだけでやたら鳴いて困るというのも分離不安です。留守番のしつけをやりなおしてみましょう。犬は本来、とても物わかりのいい動物です。多少時間はかかっても、何歳からでも新しいことに慣れることができます。
拾い食いが多い
リードの長さを調節して口が届かないようにする

犬は好奇心も強いため、置いているものに興味を示すことも少なくありません。予防にはまずリードを短めに持ち、物理的に落ちているものに犬の口を近づけないようにすること。この記事で掲載したようにリードを持てば、左手でリードの長さを調節できます。
犬が落ちているものに向かっていきそうだったら、リードをしっかりと短く持ち犬の頭が下がらないようにしましょう。2~3回リードをツンツン引っ張って、飼い主さんの方を見たら、犬を促して歩くようにします。
おすすめ対処方法
リードを短く持ちましょう。落ちているものに対して、犬の口に近づかないようにします。

リードを軽く2~3回引っ張り、犬が自分で顔を上げるよう促します。

犬が自分のほうに意識を向けたら、そのままよく褒めながら通り過ぎていきます。

物や場所を守って怒る

別の興味を引くものを与えてみる
自分の食器に執着したり、自分の好きな寝場所に執着する犬がいます。執着の度合いが過ぎて、飼い主さんが食器を片付けようとしたり、寝場所から動かそうとしたときに攻撃的行動に出てしまうと問題です。有効なのは、愛犬が対象物から離れている時に行動を起こすこと。例えば食器ならば、ほかの知育おもちゃなどで遊んでいる時に片付けてしまいましょう。場所を守る場合も同様に、愛犬の気に入っている知育おもちゃなどで他の場所に誘導していきましょう。
おすすめ対処方法
場所や食器を守ってしまったら、知育おもちゃなど犬の気を引けるものを用意しましょう。

犬の興味をおもちゃに移動させましょう

犬が知育おもちゃに夢中になっている間に、食器などを片付けます。

体をさわると怒る

ランクの高いごほうびを食べさせながら撫でる
柴犬には繊細なタイプもいて、むやみに触られるのを好まない子もいます。体罰をうけた、叩かれたなど、手で嫌なことをされた経験がある場合は人の手を嫌がる場合も……。そういうことをしないのが大前提であり、なおかつ小さい頃から体中にさわられることに慣らしておくのがベスト。
すでにさわると怒るようになっているなら、ランクの高いごほうびを食べさせつつ、少しだけ体をなでることを繰り返していきましょう。いやがったらすぐにやめて、少しずつ撫でても大丈夫な範囲を広げていきます。
おすすめ対処方法
愛犬の好きなごぼうびを食べさせましょう。なめたりかじったりしながら、時間が長く保つものがオススメです。

食べている間にゆっくりと体に触れていきます。いやがったらすぐにやめましょう。

その他のトラブル
牙を剥き出す
犬が噛むには、必ず理由があります。嫌いなことをされた、体が痛いのにそこにさわられた、など理由はさまざま。その理由をまず探してみましょう。噛む前には顔をしかめる、うなる、などの行動が出ます。うなり始めたらまず離れて、予防策を探りましょう。専門家への相談も視野に入れてください。
ドッグランで他の犬を追いかけ回してしまう
他の子と遊びたいのに、うまく誘えないパターンです。こちらに悪気はなくても相手の犬や飼い主さんに迷惑がかかる場合があります。呼び戻し(おいで)ができるようになるまでは、ドッグランを控えたほうがいいでしょう。
来客がいる間中、激しく吠える。複数回来ても慣れない
来客中にずっと吠える場合、恐怖が根底にある場合が多いです。ずっとストレスにさらされるよりも、来客前に他の部屋に連れて行くなどの対処を。吠えを繰り返さないことが大切です。
参考文献
『まるごとわかる犬種大図鑑』(出版社: Gokken)(監修:和歌山動物病院院長 若山正之)
『もっと楽しい柴犬ライフ』(出版社:誠文堂新光社 編:愛犬の友編集部)
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